下村為山
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明治・大正・昭和三代にわたって活躍した画家である。青年期は小山正太郎の不同舎画塾で洋画を学び、中村不折とともにその才能を並び称せられた。昭和二十年五月、北山田村梅原(福光地域)の知人宅へと疎開し、しばらくで終戦を迎えた。為山は高齢であったので、北陸の寒さを嫌い同年十二月、帰京のため福光駅まで出向いたが、交通事情が極度に悪く、断念してしばらく帰京を見合わすことにした。年内は町内の旅館に泊まり、二十一年一月正円寺に移り、六月まで滞在した。その後石黒村和泉(福光地域)の南部家へ転居して、二十四年七月十一日八十五歳の天寿を全うするまで同家に居住した。為山は戦後の不自由な生活環境にあって地方諸家のもとめに応じながら最後まで筆をとっていた。
出典
福光町史編纂委員会編『福光町史 上巻・下巻』1971年
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