不吹堂
- 井口
- 史跡
赤祖父溜池の左岸、川上中地内の山中にある。小さいお堂の中に火炎を負うた木造の不動尊を祀る。例年、6月18日の午後、赤祖父水郷の村々から区長が集まり、城端町の城国寺さん(曹洞宗)をよんで風除けと五穀豊穣の祈りをしてもらう。神前には、赤祖父山のバッパノショウズの水を汲んできて供える。直会は川上中の会館で行われるが、各家では何かを作ることはない。このお堂は、文政5年(1822)の凶作のあと翌6年に不動を祀り、同十年から例祭にしたという。関係村は、三橋保雄の幕末の資料によると、東西原・中村・蛇喰・井口・宮後・池尻・久保・田屋・森清・安清・江田・雨潜・北市の13か村となっているが、大正8年(1919)以降の「不吹堂祭典諸雑費帳」(池尻区有文書)によると北市村がみえず、また、昭和7年(1932)以降は雨潜村が脱落している。昭和61年(1986)に建てられた鳥居に記されている村は、11か村である。
出典
井口村史編纂委員会編『井口村史 上巻・下巻』1995年
この記事に間違いがありましたら、修正フォームよりご連絡ください。