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そば

五箇山地方では、そばは稗・マタベ・粟と並んで古くから重要な農作物の一つであった。
食べ方は、現在では、こね鉢でよくこねて薄く延ばし、細く打ってゆでて熱いだし汁をかける方法が一般的であるが、これは貴重なそば粉が茹で汁に溶けてしまうため、以前にはほかにいろいろな食べ方があった。最も簡単な方法は、そば粉に熱湯を注ぎ、箸で混ぜてそのまま食べるソバガキであろう。家族がユルイ(囲炉裏)を囲んで順に熱湯を注いだことから、ソバガキを作って食べることを「鉄びんを回す」ともいった。つぶした小豆を塩で味付けし、そば粉にくるんで焼いた焼餅、こねたそば粉を適当な大きさにちぎって入れたみそ汁、ササギやズイキと一緒に煮た「コトコト」などがあり、寒い冬の夜にはよく食べた。

出典

利賀村史編纂委員会編『利賀村史1~3』2004年

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