又稗(またべ)
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五箇山地方で古くから作られていた作物。穂先が三、四叉に分かれた稗。学名ははっきりしないが、ある図鑑には「四国稗」と記されている。味はそれほど良くないが、粟や稗より収穫量が多かったためか、どの村でも作られていた。マタベはあまりおいしくないので、それだけで食べることは少なかった、そば・粟・稗などと混ぜ、煎り粉にして食べたり、オダエといってご飯の上にまぶして食べた。また、石臼で挽き、ユリゴ(屑米)と混ぜてダゴ(団子)にするのでダゴベともいった。収穫も多く、雑穀の中では一番よく食べた。大正のころまで盛んに作られ、これが主食であった。
出典
・利賀村史編纂委員会編『利賀村史1~3』2004年
・平村史編纂委員会編『越中五箇山 平村史 上巻・下巻』1985年
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