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矢張下島遺跡(やはりしもじまいせき)

利賀地域にある遺跡。国土交通省による利賀ダム建設に伴う埋蔵文化調査によって発見された。利賀川左岸の低位段丘上に立地しており、標高は海抜約423メートルにある。利賀川との比高差は、約30メートルである。水田開発時に偶然的に見つかったほかの縄文遺跡と違い、現在の集落から離れていることから、利賀川流域には、未発見の縄文遺跡がさらに存在する可能性を示唆する遺跡として注目できる。平成12年(2000)、富山県教育委員会・利賀村教育委員会が分布調査により発見、平成13年(2001)に富山県埋蔵文化財センターの協力により試掘調査が行われた。その結果、御物石器を含む縄文遺物や遺構が良好に検出されたことから、平成15年から利賀村教育委員会が主体となって本発掘調査を実施している。調査の結果、質・量とも豊富な遺物が出土し、全国的にもまれな「水さらし場遺構」が確認されるなど貴重な成果を上げている。

出典

利賀村史編纂委員会編『利賀村史1~3』2004年

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