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籠渡(篭渡)道場

平地域篭渡地区にある道場。浄土真宗本願寺派。四百年以前より三方正面のありがたい阿弥陀如来様や九字十字の名号、井波御坊のと一対になる綽如影像を安置していたが、本寺へ返したなどと道場創設の古さを伝承している。また井波瑞泉寺が東派に転じたとき、西派にとどまって城端瑞泉寺下になったともいわれるが定かでない。昭和五十年(1975)、本堂に隣接した土地を整備し、そこへ移転すると同時に改修工事も行った。彩色のほどこされた堂内は古いまま残された。内陣の天井にはみごとな絵模様があり、これは幕末の頃、流刑人となって篭渡村へ来ていた藤井大二(次)郎が、職人を指示し、自らも筆をとって描いたもので、真宗西派特有の彩色が施されている。このほか外陣からみる内陣上部にはめられた唐挾の彫り物、などにも秀れた技術が認められる。法宝物として阿弥陀如来木像一体があるが、道場で木像を免許された最初の例だといわれている。

出典

平村史編纂委員会編『越中五箇山 平村史 上巻・下巻』1985年

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