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田向遺跡

平地域の著名な縄文遺跡。明治26年4月、田向の堂本氏宅の増築工事中、彫刻を施した鎌形の石が地表から1メートルほど下で発見されたが、奇形の石で不安だと土中に戻されてしまった。大正7年の春、富山考古学界の草分の一人である米沢氏が堂本氏を説得し、石は再び掘り出されることになった。この珍しい石器発見のことは東京帝国大学に報告され、人類学雑誌に「越中国砺波郡平村田向発見の石器」と題して発表され、石器の写真が巻頭を飾った。以後、この石器はバナナ形石器や装飾石器などと呼ばれ、その出土地として田向遺跡の名も全国に知れわたった。

出典

平村史編纂委員会編『越中五箇山 平村史 上巻・下巻』1985年

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