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井波風の前兆

井波地域は「井波風」と呼ばれる強い風が吹く地域である。井波風の予報・前兆として井波地域に語り伝えられてきたものが以下のとおり。

・春は前日好天にして朝霜深く降り、霜早く溶けるときは大風となる。
・春霞が北より山に登れば「海霞山へ登る」といって翌日は大風となる
・山鳴りが聞こえれば必ず台風となる。吹きだしの約六時間前に山鳴りがはじまる。
・春より初夏にかけて霞なく、朝晴れて山が近く、遠くの音がよく聞こえ、なま暖かい日は夕方より風が吹く。
・秋雲高く、西南の山頂よく晴れて北東に横雲あれば大風が吹く。
・風が吹き出し雨ぱらつけば大風となる。
・梅雨どきの風は吹きだしても大風とはならぬ。
・夏畦豆高生え(高くのびる)すれば、秋大風吹く。
・蜂の巣、山の柴の根元にすれば秋風吹き、高枝にすれば秋風吹かず。
・池の鯉、地の底に遊びて動かぬときは大風の前兆である。

これらの言い伝えは、いずれも風とともに生きた人々のながい経験からつくられたもので、なかにはじつによく天気の動きに注意し、井波風の前兆を適格にとらえているものもある。

出典

井波町史編纂委員会編『井波町史 上巻・下巻』1970年

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