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お堂

越中の、ことに砺波地方の石仏の特徴は、皆お堂に入っていることである。いつも年の暮れになると石仏や石塔にこもを巻いた風景を見かける。長い冬の間、雪の下では寒かろうと、笠地蔵のような心遣いである。これが進むと石造や木造のお堂を作ることになる。
井口村の石仏38体のうち、30体までがお堂に入っておられる。ほかに露座でも石をくり抜いて、そのなかに浮き彫りにするものが5体あるから、ほとんどが堂のなかということができる。裸のままにはしておけないといった心情を皆持っているということである。
お堂にも簡単に石を組んで囲ったものから、木造、コンクリート造、石造とさまざまである。木造でも井口の地蔵様は本格的なお堂である。また、宮後の地蔵様の石積は亀甲積で美しい。南砺地方でよく見かける石堂の典型としては、桑山石を組んだ落ち着いた石堂である。

出典

井口村史編纂委員会編『井口村史 上巻・下巻』1995年

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