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城端千代音加礼(城端千代音加礼保存会)

 ちょんがれ踊りは昔盆踊りともいわれ、春、秋の踊り、またお盆の時に神社の境内で夕方から深夜まで踊られた。その起源は鎌倉時代に時宗の仏道寺(南砺市 吉江)や極楽寺(小矢部市 蓮沼)を拠点とした踊り念仏の影響や、室町時代に蓮如が民衆へ仏教を広めるために念仏踊りに取り入れたことなどが考えられている。
 また、「ちょんがれ」とは「ちょぼくれ」を意味し、江戸時代に乞食僧が阿呆陀羅経(あほだらきょう)に節をつけ、「チヨボクレ」「チヨンガレ」の囃子詞を入れ謡いながら乞い歩いたことが由来とされている。

 砺波地方はちょんがれが特に盛んであり、明治時代中頃には砺波地方一円の音頭取りを網羅した両砺波歌道連盟が結成された。明治22年には同盟会員により一心講での音頭番付の関札が奉納され、城端別院善徳寺の本堂外縁に掲額された。また、蓮如の立像も設立されている。昭和11年には音頭取りの名前や出身地を刻んだ記念の石碑が境内に建立された。

 城端千代音加礼は行事が中止された時期もあったが、昭和63年に城端町、大谷婦人会、善徳寺の協力を得て、古典民謡城端千代音加礼保存会が再結成され、復活した(この頃から一心講おどりが城端千代音加礼と呼ばれるようになった。)。平成15年6月には城端町指定無形民俗文化財となり、現在は南砺市の指定無形民俗文化財となっている。

 なお、城端千代音加礼保存会は月1回稽古し、城端千代音加礼の伝承に努めており、毎年7月下旬に行われる善徳寺虫干し法要に城端盤持甚句踊りとちょんがれ踊りを奉納している。また、9月2日には大谷婦人会と協力し、善徳寺境内にてちょんがれ踊り等(こきりこ・麦屋)を行っている(一心講おどり)。 

出典

広辞苑(第6版)
城端教育委員会編 「よみもの 輝く城端 第1集 文化財、史蹟、天然記念物 編」 1999年

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