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安居寺(あんごじ)

福野地域安居地区にある寺。真言宗安居寺は、越中で最も古い勅願所であるという。開基は天平元年(729)、行基菩薩の草創で、聖武天皇の勅願があったといわれる。本尊は聖観世音菩薩。この本尊は、インドの僧善無畏三蔵(ぜんむいさんぞう)が携えてきたものと伝えられている。善無畏三蔵が当山に安居して供養するので安居寺と号した。往古は二十四院の僧房があった。旧院の跡も、安居山の所々にあり、近辺の谷々や田畠から仏具が掘り出されることもあった。
貞治年中(1362~1368)、桃井播磨守直常が合戦の時に本堂・鐘楼・仁王門・二十四院が焼失し、宝物・旧記も紛失した。元亀・天正のころ(1570~1592)、上杉謙信がたびたび越中を攻め来た時分、寺院は廃衰して僅かな小堂を構えて本尊を守っていた。再興したのは慶長十六年(1611)である。近世以降の安居寺は加賀藩の祈願寺として藩から手厚い保護を受けていた。前田利光寺領寄進状は、前田利光(後の加賀藩三代藩主・利常)が安居寺へ寺領として安居村の内、高二十石及び山銭三百文の土地を寄進することを伝えている。

安居寺には、数多くの文化財が存在しており、本尊の木造聖観音立像は、国指定有形文化財。安居寺観音堂、安居寺の絵馬、安居寺の慶長四年在銘石燈籠は県指定有形文化財。安居寺仁王門、慶長在銘彩色絵馬、安居寺古仁王立像など、市指定の文化財も複数存在する。

出典

・福野町史編纂委員会編『福野町史』1964年・福野町教育委員会『福野町寺社調査報告書』2000年

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