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岩瀬家(いわせけ)

国指定重要文化財。昭和33年5月14日指定。

庄川流域に限定的に見られる合掌造りは切妻造りの大きな茅葺屋根が特徴的であり、この建物はその中でも最大規模を誇る(間口26.4m〈14.5間〉、奥行12.7m〈7間〉、1重4階、高さ14.4m)。木割も大きく、ヒラモノ(差鴨居)はその丈(背)約55㎝(1尺8寸)に及ぶ。

江戸時代を通じて塩硝生産が盛んだった五箇山で、塩硝上煮屋と地域の塩硝を取りまとめて加賀藩へ納める役宅を兼ねていたことから、この建物は当地方で最も高い格式を示している。良質材が使用されかつ精巧な仕上げで、建物の半分は総欅造り、座敷部分には役宅のみに許された書院造りが見られ、独特の鎧戸で防御された奥式台や奥書院(武者隠しの間)を備えている。

建築年代については、近年行われた科学的調査(放射性炭素年代測定)により18世紀中期(1750年前後)のものである可能性が報告されている。

五箇山における江戸時代の主要産業であった塩硝生産の歴史に関連する重要な遺構として、また合掌造りの最も発展した特徴と格式を示す例として貴重である。

出典

上平村役場『上平村誌』1982年

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