文化芸術まつり

夜高

解説

夜高祭とは、主に砺波平野一帯に広く分布する、行灯を用いた行事の総称です。砺波地方では、古くから6月10日前後の田祭り(休んごと・ヤスンゴト)にて、笹餅をつくって秋の豊作を祈り、その夜に子どもたちがヨータカと呼ばれるあんどんを持って村の家々を練り歩いていました。これが夜高祭の起源と言われています。南砺市では福野地域、井波地域で現在も行われており、砺波市や小矢部市でも行われています。

夜高祭と言えば、福野神明社の春季祭礼として行われている「福野夜高祭」が有名です。この福野夜高祭の起源は、先述の田祭りとは異なります。慶安5年(1652年)、町立まもない福野の町で大火が発生し、町は甚大な被害を受けました。町民は町の安全を願い、福野神明社を建立するために、伊勢神宮より御分霊を勧請しました。この御分霊を奉じた一行が伊勢からの帰り道、倶利伽藍峠付近で日暮れとなり、これを知った町民たちが手に松明や燈火用の行燈を持って出迎えたことが福野夜高祭の起源であるとされています。福野夜高祭は、福野神明社の氏子である上町・七津屋・新町・浦町・辰巳町・横町・御蔵町の人々によって行われ、大小合わせて20本余りの行燈が町内の若衆ら担ぎ手によって市街地を勇壮・優美に練り回ります。

地図

参考文献

・阿南透・藤本武編『富山の祭り―町・人・季節輝く』2018年
・福野夜高保存会『万燈』2003年

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