聖観世音菩薩立像・薬師如来坐像・御神像・狛犬
- 城端
- 市指定
- 彫刻
概要
名称 | 聖観世音菩薩立像・薬師如来坐像・御神像・狛犬 しょうかんぜおんぼさつりゅうぞう・やくしにょらいざぞう・ごしんぞう・こまいぬ |
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員数 | 4 |
地域 | 城端 |
指定 | 市指定文化財 |
種類 | 有形文化財 彫刻 |
所在地 | 南砺市細野丸塚215 |
指定年月日 | 昭和61年4月5日 |
所有者 | 細野地区 |
解説
細野熊野神社は集落を見おろす閑静な小高い丘の上にあり、参道脇に真宗寺院の西光寺がある。西光寺以前は西方寺又は光源寺という真宗寺院があったといわれる。この聖観世音菩薩立像と薬師如来坐像は、西方寺との関わりのなかで、熊野神社が蔵したものであろう。
聖観世音菩薩立像は頭に宝冠を戴き、輪光を背負っている。首から瓔珞を下げ、それは胸と腹を覆い股のあたりまで垂下している。蓮華座に直立し、左手に未敷蓮華の茎を握り、右手の掌を立てて胸の前に置いている。蓮華座の下は岩座である。裳の表現が多少緻密さに欠けるが、顔面には笑みをたたえていて、いかにも地方仏らしい感がある。
聖観世音菩薩像について図像学的には諸説あるが、左手は拳を立てて蓮華の茎を持ち、右手は掌を立てて胸もとにある花を開こうとする像容が、平安期以後の聖観世音菩薩像に多く見られる。ただ、この尊像の両腕は後補であるため、制作当時の両手の様子を忠実に写しているかどうかは分からない。作風から制作は南北朝時代と見られており、中世、この尊像は西方寺の本像であった可能性もある。
薬師如来坐像は右手を施無畏印とし、左手の掌に薬壷をのせる。玉眼で、白毫には水晶、肉髻には瑪瑙を用いている。背後に輪光を戴き、台座は裳掛座である。小形の尊像ではあるが、細かく丁寧な仕上がりである。制作は南北朝時代とされる。
熊野神社にはこの他に御神像があり、江戸初期の作である。また狛犬一対は江戸中期の作である。このおかっぱのような髪形の狛犬は、朝日町清水寺の狛犬と似ている。この形は新潟県上越地方に多く見られるという。